女性をねぎらう 女正月のテーブルコーディネート
お正月が過ぎで約2週間。ようやく日常を取り戻しつつある頃。1月15日を「小正月」といいます。小正月は別名「女正月」ともいい、年始に多忙を極めた女性をねぎらう休息日でもあります。
今回は、そんな女性のための行事にふさわしいテーブルコーディネートを紹介します。
小正月って何?
旧暦の1月15日は立春後の望月(もちづき。満月のこと)にあたります。昔はこの日を正月としていたため、元日を「大正月」、1月15日を「小正月」と呼ぶようになりました。
大正月を男正月、小正月を女正月ともいい、松の内に多忙をきわめた女性をねぎらう休息日でもありました。
また、この日に正月飾りなどを焼く「左義長」を行い、正月行事に区切りをつけます。
女正月のテーブルコーディネートのポイント
女正月では、女性が楽する日ととらえて、準備があまり必要がないコーディネートにしてみました。例えば、重箱などお正月用のうつわを再利用する。食事は持ち寄りなど、参加者の負担が少ないようなセッティングにしています。
*写真は2019年のTALK(食空間コーディネート協会)テーブルコーディネート作品展入賞時の応募写真です。
①メニューには伝統食を
小正月では小豆粥(あずきがゆ)を食べる風習があります。ただ、現在では一般的なメニューではないため、デザートにぜんざいを食べる設定にするなど工夫するといいでしょう。
ちなみに、小豆のように「赤い」食べ物は邪気を払うと言われています。お祝いごとにお赤飯を食べるのもそのためです。
また、お正月に余ってしまった食材をアレンジした料理など、今の時代にあったメニューにするのもいいと思います。なますをサラダにしたり、黒豆をアイスクリームに入れたり、手間いらずなメニューをネットで検索してみましょう。
②お正月感は残す
新年から時間が経ったとはいえ「正月」という名のつく行事です。重箱などの漆器やゴールドやシルバーが入ったうつわを使ってお正月の雰囲気は残します。写真でも「福」の文字が入った小箱を使ったり、枡に花を生けてめでたい雰囲気を出しています。
③女性らしさを意識する
女性の行事なので、お正月感を残しつつ華やかさを加えました。着物をイメージしたテーブルランナーを使い、中央に「手まり」を飾ってカラフルにしています。
ダリアなどお花を派手なものを選ぶのもいいですね。
④手作りアイテムでおもてなしを
今回のコーディネートでは、箸置きとメニューを手作りしています。箸置きは千代紙を折っただけ、メニューは色紙に筆ペンで書きました。どちらも使ったのは100円ショップの商品です。
ちょっとしたことですが、手づくりのものがあると会話のきっかけになりますし、なによりおもてなしの表現になります。
コーディネートに使ったうつわについて ~ 1年中使えるものを選んでいます
今回使用したうつわは、お正月以外にも使えることを意識して購入したものばかりです。例えば、重箱。お正月にしか使えないでしょう? という声が聞こえてきそうですが、春夏秋冬すべての季節を表す柄が描かれています。そのため、1年中使っています。
また、小皿は鯛のデザインの商品。おめでたい席であればいつでも使えますし、ふだんでもお刺身の醤油皿にしたり、ごま和えなどちょっとしたおかずを盛り付けています。
さらにお雑煮用のお碗も、シンプルなデザインのものにしています。ふたに植物の柄が描かれているお碗は多いのですが、ものによっては季節が限定されてしまいます。そのため使う時期を選ばないものを購入しました。
今回使ったうつわ
おわりに ~ 女正月は女子の新年会 自宅で楽しんでみましょう
女正月という言葉になじみがない人もいると思います。1月15日というと、年末年始の怒涛の忙しさからひと段落した時期。親しい仲間と集まるのにちょうどいいタイミングではないでしょうか。
この記事を参考に、準備に手間のかからないおもてなしをしてみませんか。いつも使っている無地のうつわに、ペーパーナプキンをあわせたり、ちょっとした工夫で楽しめますよ。ぜひトライしてみて下さいね。