民芸店に行ってみよう 全国の民芸のうつわが1度にそろう東京の民芸店3選
全国のやきもの産地で開催される陶器市。現地に行ってみたいけど、すべて訪れるのは難しいですよね。
そんなときにおすすめなのが民芸店。民芸店では、全国の手仕事の品々を扱っているため、うつわの品ぞろえも充実しています。今回は、都内にいながら全国のうつわを一度に見ることができる民芸店を紹介します。
竹細工や和紙を使った商品などと一緒にうつわが並ぶ店内はどこかノスタルジック。店内を見るだけでも地方のお土産さんを訪れたような気分になります。うつわが気になる方はぜひ足を運んでみてくださいね。
民芸とは
「民藝」という言葉は、「民衆的工芸」の略語で、柳と美の認識を同じくする陶芸家の浜田庄司、河井寛次郎らによってつくられた言葉です。 民藝品とは「一般の民衆が日々の生活に必要とする品」という意味。言い換えると「民衆の、民衆による、民衆のための工芸」といったところでしょうか。
民芸店で扱っているうつわ(例)
やちむん、薩摩焼、小代焼、小鹿田焼、小石原焼、砥部焼、湯町窯、丹波焼、伊賀焼、瀬戸焼、益子焼、南部鉄器
1.諸国民藝たくみ・銀座
昭和8年設立。生活に根ざした全国の民芸品を広めるために作られたお店です。
住所は銀座ですが、少し新橋寄りの静かな通りにあります。
店内には、様々なジャンルの手仕事の品が並び、うつわも充実。
やちむんや砥部焼など、実用的で味わいのあるうつわを販売しています。
銀座・新橋エリアのアンテナショップ巡りと合わせて訪れるのもいいですね。
また、日本橋の髙島屋に支店があります。
食器売り場の一角にある小さなお店ですが、琉球ガラスや砥部焼など主なうつわはそろっています。
住所:東京都中央区銀座8丁目4番2号
営業時間:11:00-19:00
定休日:月曜日・祝祭日
URL:http://www.ginza-takumi.co.jp/
https://www.instagram.com/ginza_takumi/
2.備後屋(びんごや)・曙橋
蔵のような外観が目を引く店舗。
店内は、地下1階から4階までの5フロアからなり、うつわは2階の陶磁器フロアにあります。
砥部焼、小鹿田焼、鳥取県の湯町窯など素朴で温かみのあるうつわが所狭しと並んでいます。
商品の説明額が分かりやすく、お店の方も親切。知識も豊富なので安心してお買い物ができます。
私は、うつわと一緒に使いたい和紙や布製品など、他の工芸品もチェックします。
静かな店内は都心にいることを忘れてしまうほど。
旅先でお土産を探しているような気分になれます。
お店のある場所は都営新宿線・曙橋駅からすぐ。
ややマニアックな駅ですが、新宿や神楽坂に近いので、散策ついでに訪れるのもおすすめですよ。
住所:東京都新宿区若松町10-6
営業時間:10:00-19:00
定休日:毎週月曜日と、第3土曜日とその翌日定休
URL:http://bingoya.tokyo/
https://www.facebook.com/bingoya/
https://www.instagram.com/zubonbo/
3.べにや民芸店・駒場東大前
駒場東大前駅より続く、商店街にある店舗です。
各地の工芸品とともに、砥部焼、倉敷ガラスなどさまざまなタイプのうつわが美しくディスプレイされています。
店内では随時企画展を開催。
陶芸の作家展も行われることがあるので、スケジュールをチェックして訪れるのもいいですね。
近くには日本民藝館もあり、あわせて訪れるのがおすすめ!
民芸を学ぶ1日を過ごすことができますね。
住所:東京都目黒区駒場1-33-8 コードンブリューII 2F
営業時間:11:00-19:00
定休日:水曜日
URL: http://beniyamingeiten.com/
https://www.facebook.com/beniyamingeiten/
https://www.instagram.com/beniyamingeiten/
こんな場所もあります!
日本民藝館(にほんみんげいかん)
民藝を学ぶには最適のスポット。
思想家・柳宗悦らにより1931年に設立されました。
年間を通して様々なテーマの展覧会が開催されています。
わたしは、うつわの展示が多そうなイベントを選んでいくようにしています。
イベントの期間が長いので、スケジュールに余裕を持って行くことができるのがいいですよ。
入口付近のショップにはこれまでの展覧会の図録のほか、民藝に関する本が充実。
分かりやすい一般向けのものから専門書まであるので、民藝に興味がある方はチェックしてみて下さい。自分に合った1冊が見つかりますよ。
見どころの1つは建物。
旧館とその向かいにある西館はともに2021年に東京都指定有形文化財(建造物)に指定。
柳が設計した旧館は、基本は和風建築でありながら、随所に洋風の要素が取り入れられているユニークな造りです。
西館は柳のかつての自宅。柳の美意識を感じます。
住所:東京都目黒区駒場4丁目3番33号
営業時間:旧館10:00-17:00/西館10:00-16:30
定休日:旧館 月曜日/西館 第2・3水曜日、第2・3土曜日のみ営業
URL:https://mingeikan.or.jp/
https://www.instagram.com/nihon_mingeikan/
おわりに
今回は都内の民芸店を紹介しました。
民芸店の魅力は全国の工芸品が一堂に集まっていること。
つまり、主要なやきもの産地のうつわを1箇所で見ることができるのです!
(民芸のジャンルではない九谷焼、京焼などは扱っていませんが)
また、どのお店も共通しているのが、地方の土産店に足を踏みいれたような懐かしい雰囲気があること。都心で、旅行気分を味わいながらお買い物が楽しめます。
最大の魅力は、品ぞろえが充実していること。
商品説明も分かりやすく、ギャラリー感覚で訪れることができます。
日本の伝統工芸をもっと知りたい、民芸について学びたいけど難しそう…
そんな方はぜひ足を運んでみてくださいね。
旅行前のお土産リサーチのために、行ってみるのもいいですね。
民藝を学ぶなら
・暮らしの図鑑 民芸と手仕事
民芸品の産地や用途、歴史などが分かりやすく解説されています。
写真も多く、民藝を初めて学ぶ方にはこれ1冊でOK。
・日々のうつわ
・民藝の教科書① うつわ
・暮らしの民藝 選び方・楽しみ方
NHK Eテレのテキスト。少し前のものですが、読みやすいわりに内容が濃いのがポイント。
初めて学ぶ方の最初の1歩に。
■民芸のうつわ(一例)
・やちむん(沖縄県)
沖縄の自然をモチーフにした、大胆な柄が特徴。
華やかですが、和食から洋食まで幅広いメニューに使えます。
・砥部焼(愛媛県)
白地に青の柄が美しい砥部焼。
吸水性がなく、厚みがあるので丈夫!お手入れが簡単なのもいいですよ。
無印良品などでも取り扱いがあります。
・小鹿田焼(大分県)
飛びかんなという技法で作られた点々のデザインが特徴。
モダンな和食器は根強い人気があります。
・湯町窯(島根県)
湯町窯の代名詞であるエッグベイカー。あたたかみのある色合いも素敵です。